旧国道13号線 栗子峠

福島側

最終回
(栗子隧道福島側)


高平隧道旧道に始まり旧山神橋、中野第一・第二トンネル旧道、大滝第一・第二トンネル旧道、
旧猪沢橋、旧大路橋、新沢橋、旧新沢橋、そして連続ヘアピン区間。
栗子峠へのアプローチ道路の旧道群を紹介してきましたが、
いよいよ栗子隧道福島側坑口への区間が始まります。

ついに栗子隧道へ。
栗子峠レポート福島側完結です。





↓↓↓栗子隧道福島側(たぶんこのあたりです)↓↓↓
mapion

通行日
2004年5月2日
走行レポート


※レポート中の写真をクリックすると大きな写真(640×480)が見れます。


(この区間は地図に掲載されていないので概略図をを作成しました。
レポート中の番号は概略図の番号に該当しています。)
概略図はこちら





あそこに見えるは紛れも無く・・・興奮が最高潮に達した。




一度来た方向を振り返る。
幾重にも山が折り重なっているのが見えた。
自分はいったいどのあたりから来たのか・・・
想像もつかない程遠くへ来てしまったのか。
そして隧道へ向けて足を踏み出す。




東栗子トンネル脇から旧道へ入って約3時間半。
ついに栗子隧道福島側坑口へ到達した。
今まで他サイト様で紹介されていたのを見て、
「すごいところに行く人がいるもんだなー」
と、思うばかりだった。しかし、今はそれが目の前にある。
この興奮をどうしてくれようか。
思わずおばらさんと絶叫してしまった。
「うぉー!着いたー!」と(^_^;
(到着に3時間以上もかかったのも自分が写真ばっかり撮ってたからです。
おばらさん度々立ち止まらせてごめんなさい・・・m(_ _)m)






58 地点
隧道前は残雪とその融水によってかなり荒れていた。
左下の写真は隧道脇に設けられていた水路である。
融水を効率よく流し、かつ路面に流れないように建造されたものであろうが
現在では融水を「流す」ものとしては機能しているものの、
しっかりと「路面に」流してくれていた(-_-;
おかげで上の写真のように結構水量の多い川になってしまっている・・・




川を超え、いよいよ隧道に近づく。
さすがに過酷な環境下に晒されているせいか坑門の痛みはそれなりにある。
しかし、扁額はその威厳をいまだ保っており
右から左へ「道隧子栗」と立派な字体で書かれたそれは
いまだ隧道の存在感を主張しているようだ。
隧道前に2〜3mの高さで溜まっている雪山に登り隧道内を覗き込む。




闇の中には光が反射する路面が続いている。
うっ、やはり・・・隧道は水没していた。
なにはともあれ隧道前に下りてみよう。




栗子隧道福島側である。
洞内は完全に水没しており侵入者を完全に拒んでいる。
「山さ行がねが」のヨッキれんさんが「美しい・・・」と連呼して
絶賛するのも激しく同意であるほど、澄んだ美しい水面だ。
背後から聞こえる水路の音と天井から滴る水滴の音だけが聞こえるこの場所は
新時代のリラクゼーションスポットに相応しいかもしれない(爆)
延長870mの栗子隧道は完全に直線で、閉塞が無ければ反対側の光が
見えるはずであるが奥に見えるのは漆黒の闇である。




隧道の内壁は水が染み出しており、いずれ浸食されてしまうのであろうが
現在ではまだ隧道としての形状は保っている。
また、天井には電線を通すためと思われる金具が取り付けられていた。




最大倍率で画像の明度を上げると奥には陸地と思われるものが見えた。
あそこが水没地点の終点か・・・?






で、少し入ってみるも入り口から1mでこの深さ。
頑張って5m程は進んでみたものの
我々にはこの後、山形側の探索も控えているため
ここで衣服を濡らすのは死活問題である。
ここは敢え無く断念。
(後になってから考えたら、このような状況は事前情報から予想できた訳だし
着る物の替えを持って行ってでも閉塞部まで行ってみるべきだった・・・
と、ちょっとだけ後悔。←また行く理由にはなるかもしれない)




内部探索を断念し、続いて坑門上に登ってみることにした。
写真左に見える法面処理が段々になっている。
これはもしかしたら昭和の栗子隧道拡張工事の際、明治の路面を掘り下げて
拡張したとのことなのでその名残なのかもしれない。
ここにも水路が設けられており、法面に沿って水が流れているのが分かるだろうか。
もっとも流れている水の大半は道を横切っている坑門左側の水路の水だが。。。




坑門と山との間にはご覧のような不自然な岩肌が。
栗子隧道福島側坑口は明治の栗子山隧道を拡幅して作られている。
もしかしたら素掘りであった栗子山隧道の名残か!?




左は隧道前の雪山から降りる時の階段(^^;
右は隧道脇から稜線に向かって伸びる登山道だそうである。
斜面を直登し稜線を超えて栗子隧道山形側に至る事ができるらしい。




無事に栗子隧道福島側の探索の全過程を終了!
最後に隧道を撮影。
さらば、栗子隧道・・・って言ってもまた数時間後には
これを含めて二つの栗子隧道に会うことになりますが。




帰還途中、二ツ小屋隧道脇で見た「山」の標柱に対する「内」の標柱を撮影。
前の写真は文字が見えなったので。





下る、とにかく下る。
杭甲橋を渡り、大平橋を渡り、集落跡を過ぎ、そして自転車と合流。
その後は自転車で爆走、あ〜楽々。
二ツ小屋隧道山形側付近では「福島1960'アーカイブ」の信夫山さんともお会いした。
そしてあっという間に東栗子トンネル脇を帰還成功!
栗子隧道を発ってから1時間強だった(やっぱり自転車の効果絶大でした)
でもおばらさんの自転車のブレーキが片方効かなくなったり(!!)
山形側大丈夫でしょうか・・・



つづく
(栗子峠 山形側その1へ)



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