旧国道13号線 栗子峠

福島側

その5
(烏川橋)


高平隧道旧道に始まり旧山神橋、中野第一・第二トンネル旧道、大滝第一・第二トンネル旧道、
旧猪沢橋、旧大路橋、新沢橋、旧新沢橋、そして連続ヘアピン区間。
栗子峠へのアプローチ道路の旧道群を紹介してきましたが、
いよいよ栗子隧道福島側坑口への区間が始まります。

二ツ小屋隧道を抜けると一度烏川への下りとなります。
その烏川をボロボロの烏川橋で渡ります。
本格的な山登りが始まります。
ここからが万世大路本領発揮です。






↓↓↓烏川橋の場所↓↓↓
mapion

通行日 
2004年5月2日
走行レポート


※レポート中の写真をクリックすると大きな写真(640×480)が見れます。


(この区間は地図に掲載されていないので概略図をを作成しました。
レポート中の番号は概略図の番号に該当しています。)
概略図はこちら





17 地点
二ツ小屋隧道から米沢側へ出るとそこには残雪が溜まっていた。
先を見るとそこにはもう残雪は無いように見える。
ひとまずは安心である。
ところで残雪の吹き溜まりの上を歩く際には
右の写真のような「穴」に気をつける必要がある。
うっかりしていると雪を踏み抜き、場所が悪いとかなり危険である。
ここは2人とも、自転車とともに慎重にクリアする。






ここには側溝のようなものが路肩にあった。
コンクリで固められた近代的?な側溝である。




18 地点
道が烏川沿いに進むようになるとまもなく烏川橋である。
二ツ小屋隧道まで続いた上り坂は一旦下りに転ずる。
こうしたことろでもおばらさんの「この先は下りで・・・」や「もう少し行くと・・・」等の
情報がもたらされる。これが相当に心強い。
路面状態は穏やかだ、自転車に乗って下ることが出来そうだ。




19 地点
・・・と思ったら、
途中ご覧のような倒木があり、これが原因で車はもちろんのこと
バイクも通行もほぼ無理な状態になってしまっていた。
自転車で来たおばらさんと管理人は倒木の下を自転車を寝せた状態で
くぐらせセーフ。




そこを越えればもう烏川橋に到着である。
大きく右カーブで烏川を渡るのだ。
木々の間から少しずつ見えるその姿でさえ相当痛んでいるように見える。
果たして近くで見たらどんな状況なのか?
ちなみに上の2つの写真はまったくパノラマになっていないのでご注意(^^;




20 地点
烏川橋はやはりかなり傷んでいた。
橋上のコンクリ舗装が白く眩しい。
季節的に前後区間はこの通りだが、夏ともなれば相当量の
藪が茂ってしまうようで、橋上だけまったく藪が無い状態になるようである。
最もこの先それと似た状態には陥ることになるのだが・・・
とりあえず橋をよく見てみることにした。





こうしてみると橋のあらゆる所が酷く痛んでいるのがよくわかる。
親柱は頭が丸くなり、欄干の一部は壊れ、残っている部分もご覧のように
肉がそぎ落とされ骨が見えている。真に痛々しい姿だ。
やはり毎年の豪雪、そして融雪、これがこの地の遺構を
ここまで風化させる原因であることは間違いない。
よく見るとそれぞれの欄干には穴が2つずつ空いているが、ここには
補強の為の「棒」などが通されていたと思われる。
現在失われているのは戦争中の鉄の徴収によるものなのか、
それとも風化によってなのかは分からない。
しかし戦後21年に渡って供用されていた仮にも「幹線国道」である、
徴収によって失われた補強がその後一切されなかったというのも考えにくいが・・・

ちなみにここ、烏川橋の福島側の袂まで昭和の大改修時の工事用軌道が延びていたそうである。
この工事用軌道についての詳しい情報は「福島1960'アーカイブ」様に掲載されているので
そちらを見ていただきたい。そしてこの工事用軌道の合同探索計画も「山さ行がねが」
において計画されている。機会があればぜひご一緒したいものであるが・・・




烏川橋を後にすると道は再び登りに。
この先、廃村となった大平集落跡までこの上りは続くことになる。
ここにも石垣が綻びも無くその機能を十分に有した状態で残されていた。
その石垣の上の斜面には木々がしっかりと根付き、これこそがここの厳しい自然環境から
この道を守り続けているんだな、と妙に納得できる風景である。




21 地点
と、思った矢先目の前の路肩が大きく崩れていた。
ちょうど九十九折のヘアピン部分である。
上から眺めると非常に高い、底には烏川が流れている。
ところで先ほど橋を渡ってからここまででそれほどの距離は無いが
これだけの高度差を稼いでいる。
この道の勾配が当時通行する車にどれだけの負担をかけていたかが容易に分かる。
そしてなぜ改良が望まれたのか?一つの答えである。




この大規模な崩落の部分はヘアピン部分であるが、本来は
この写真のような線形だったのかもしれない。
(写真にマウスを乗せると見れます。)
現在の道はどうも道幅や、その無理なカーブの角度からとても
元国道とは思えないからだ。
この場所は良くも悪くも奥のヘアピンが残された部分が車の転回が出来る場所になっている。
大概の車はここで転回していくのだろうか、ここを境に路面状態は急激に悪化することになる。
最も現在の状態だと先ほどの倒木でこの区間の車両通行は自転車以外不能っぽいが。



つづく
(山越え区間)



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