旧国道13号線 栗子峠

栗子隧道福島側 失敗の巻


高平隧道旧道に始まり旧山神橋、中野第一・第二トンネル旧道、大滝第一・第二トンネル旧道、
旧猪沢橋、旧大路橋、新沢橋、旧新沢橋、そして連続ヘアピン区間。
栗子峠へのアプローチ道路の旧道群を紹介してきましたが、
いよいよ栗子隧道福島側坑口への区間が始まります。

栗子隧道福島側の内部探索の為に再訪したが、敢え無く失敗。
次こそは・・・!





↓↓↓栗子隧道福島側(たぶんこのあたりです)↓↓↓
mapion

通行日
2004年11月20日
走行レポート


※レポート中の写真をクリックすると大きな写真(640×480)が見れます。


さて、今回は攻略失敗のレポでも書いてみようと思う。
時は2004年11月20日、そう、ヨッキさんの「山さ行がねが」主催の
「万世大路工事用軌道」探索の前日である。
なので今日はあまり無理はしたくないな・・・と思いつつ来てしまった。
この日を逃したら「もう今年は終わりだな」というのがあったからである。
この日は気温が低く、時折雨のぱらつくという探索にはあまり向かない天気だった。
と、いうのも出発時には晴れていたのだが郡山を出発し福島に向かう途中で
雲行きが怪しくなってきたのである。
しかし途中で引き返すのも癪なので来てしまった。
東栗子トンネル脇の広場へ。
幸いにも栗子到着前に雨は上がり、少し晴れ間も見え始めていた。




いつもの見慣れた場所。
しかしいつもと違うところは普段より少しばかり機動力のある乗り物でやってきた。
バイクでこんなに遠出(?)するのはあの日以来かもしれない。
来る途中も乗用車に抜かされながら、トラックに煽られながら、
安全運転でここまでやって来た。
トンネルに入る度にあの日の記憶が蘇り恐怖に慄いたが、
それを押してでも、なんとしても早い時期に見ておきたかった。
福島側の内部が。
ところで普段、車ではここまで一般道で一時間半強といったところだが
当日は安全運転が功を奏してなんと3時間もかかった。(途中休憩入れてますが)
おかげで既に結構お疲れであった。
寒いし、怖かったし・・・兎にも角にも早速突入してみることにした。




スキー場跡の道は相変わらず超極悪路だった。
しかしバイク故、スタックなど関係無い為ぐんぐん登って行ける。
ご覧の通り、このような路面にはバイクが適していないので
やはり少し辛い部分もあったりする。
(しかし大半はdarkの運転技術の問題であることは言うまでも無い)
が、頑張って進む。




みるみるウチに高度を上げ、あっというまに二ツ小屋隧道も抜け、
烏川橋に到着である。




橋の袂から明日辿ることになるであろう軌道跡を眺めてみた。
なるほど、橋の袂は若干ではあるが道のような跡が見受けられる。
川の水量もこの天気の割りにはそれほどでも無い。
しかし、心配なのはその天気だ。
悪天候にならなければいいが・・・と祈る。
(結果、万世軌道探索当日は超快晴で大成功の内に幕を下ろしましたとさ)




さらに登って行くと以前は無かった看板があらたに設置されていた。
左側の看板は以前からあったが右側である。
「火の用心」
改めて社有林であることが強調されている。
それならばもっと道を管理してほしいものだが・・・
と、勝手に入ってきてるのはこっちでしたね(汗)




そして30分強でここ、大平集落入り口へ辿りついた。
春の探索では2時間以上かかっていることを考えると
機動力を持ち込んだことはやはり絶大な効果だ。
ここで徒歩に切り替えて一路隧道を目指す。




秋の万世大路。
葉はもうほとんどが落ちてあとは雪を待つのみ、という雰囲気である。




相変わらず路面は荒れている。
道に小川も流れているうえ、以前は残雪の重みによって押さえられていた
木が立ち上がって邪魔をする。
しかし一条のふみ跡があるので枝漕ぎの必要は無い。
この秋にも当たり前であるが結構人が入ったようである。




そして順調に歩を進め、杭甲橋に到着。
・・・しかしここに来て栗子の山々が突然牙を剥き始めた。




突然「グオォォーー」という風の音が鳴り始め、雲が厚くなってきた。
続いて栗子隧道の方角から物凄い勢いで雲が流れてきて、
四方八方から風が吹き付けて来た。まるで風に囲まれてしまったような錯覚を覚えた。



動画ファイル(wmv形式、912KB)

動画を撮ってみた。
風の音が強く、それ以外の音があまり入っていないが
実際にはもっと何か低く重い音が響き渡っていた。
この雰囲気に圧倒されてこれ以上進むことはためらった。
いや、正確には恐怖した。
いつもなら「ここまで来たんだから」と進むことが多いが、
今回ばかりは”駄目”だ。
そう思った瞬間アドレナリンが切れた。
急に恐怖感と焦燥感が一緒になり、気が付くと踵を返して走り出していた。




急いで服装を整えバイクにまたがり一路(と言っても一路しか無いが)
東栗子トンネルを目指した。
まだ追われている気がした。




不思議なことにある程度戻ったところで雲は去り、
柔らかな日差しがさしてきた。
これを見て若干安心したものの、まだ気は抜けていなかった。
普段ならなんてことは無い二ツ小屋隧道も深く、暗く、そして長い隧道に思えた。




そして・・・なんとか無事に東栗子トンネルに戻ってこれた。
あー、助かった。
もし、あそこでさらに進んでいたらどうなっていただろうか。
もしかしたら奥羽山脈と一つになってしまっていたかも知れない。




一応これが戦いの跡である。
家に帰ったら掃除しなきゃな・・・そんなことを考えながら帰途についた。
ちょくちょく休憩入れながら、寄り道しながらゆっくり帰ったら家に着いたのが
8時過ぎになってしまった。
明日の軌道探索の為に9時には寝ないと・・・となかなか慌しい一日となった。
おまけに収穫は無かったし(-_-;
しかし、次こそは・・・また行くぞ!栗子隧道!



つづく?



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