標識あれこれ



要はアレです、標識についてのウンチクとでも言いましょうか。
ここではそういうものを少しばかり語ってみたいと思います。
「ウンチクなんて聞きたくない!」という方はこちら


1.道路標識とは?

2.道路標識の種類

3.道路標識の歴史

4.旧標識データベース


1.道路標識とは?
 さて道路標識とは普段、皆さんが色々な道で見かける
 「行き先、距離などが書かれたもの」や
 「特定のマーク」
 が書かれている看板のことです。
 難しい話になりますが、その種類等は

 「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」
 (昭和三十五年十二月十七日総理府・建設省令第三号)(※現在は道路交通省)

 の第1章によって定められています。
 ちなみに第2章には「区画線」、第3章には「道路標示」が定められています。

 まあ、標識についてはあれこれ言うまでもないと思いますが、一応公式には
 ってことで(^^;)
2.道路標識の種類
 具体的な種類ですが道路標識は4つの本標識と補助標識に分けられます。

本標識 補助標識
案内標識 警戒標識 規制標識 指示標識 本標識に付いて
その適用区間や
時間帯等を示して
意味を補うもの
説明 行き先、
距離等が
書かれたもの
カーブあり、
落石あり等の
危険があることを示すもの
道路にある規制
(駐車禁止等)
を示すもの
そこがどういう道で
あるかを示すもの
(自転車通行可等)

 で、ややこしいことにこれらの標識は上に示した法律で種類によって設置団体が指定されています。
 案内標識、警戒標識、規制標識の一部は道路管理者(国、県、市町村等)が、
 規制標識の一部と指示標識は都道府県の公安委員会が設置することになっています。
 各標識に設置者の表示をすることになっているので、案内標識等には国、都道府県等が、
 指示標識等には各都道府県の公安委員会が設置したことを示すシール等が張ってあるはずです。

 次に案内標識についてもう少し。
 案内標識は非常に厳密は書式があり、それに反したことを書くことはできません。
 たとえば3.道路標識の歴史でも触れますが、昭和46年11月の改正でそれまでの「白看」から
 旧型の「青看」に世代交代がありましたが、その時ローマ字併記が廃止されました。
 それから昭和61年10月の改正まで、実に15年間は「ローマ字併記」は「できなかった」んです。
 
 左の写真を見てください。これはいわき市内のR349との交差点にある
 案内標識です。
 直進方向には左側に「日立」、右側には「平市街」となっていますが、
 この時左側は「最も近い重要地」(都道府県庁所在地の地方の中心都市等)
 になっています。
 そして右側には普通は「最も近い主要地」(地方の中心市町等)が記載されますが、
 中心市街から離れている場合は大抵「○○市街」となるようです。
 右左折方向では交差している道路のいわば「格」によって表記が変わってきます。
 この場合交差している道路が国道であり、「幹線道路」という格付けなので表記には
 「最も近い主要地」が表示されます。
 ですから交差道路がたとえば県道等であれば、右折方向には「古殿」等と表記されるでしょう。
 という具合に色々な決まりがあります。 
 いかがでしょう?一応、書式にも色々と決まりがあるということですね。
 まあ、知っていれば損はないですが得も無さそうですね〜(*^_^*)
3.道路標識の歴史
 それでは道路標識の歴史について触れてみましょう。
 現在の道路標識というのは、車社会において交通を円滑にするために作られたものですが、
 車社会以前にも道路標識と同様の機能を果たしていたものはありました。
 あえて言うなら「道しるべ」というものが適当かもしれません。
 よく街道沿いなどでは石造りの道しるべを見かけることもありますし、一里塚なども旅人に
 そこが街道であることを示していた、つまり道しるべの機能を果たしていたということからすれば
 それもまた「標識」だと言えるかもしれません。

 戦後、自動車の普及に伴って色々な交通改革が行われてきましたが、道路標識も
 そのうちの一つです。以下に戦後付近〜現在までの法律の変遷と実際の標識が
 どうなってきたかの大まかなところを列挙してみます。
 ただし案内標識と規制標識・指示標識は改正の歴史が違うので別に示します。
 警戒標識については昭和25年に現在のデザインがほぼ完成していたので特に示しません。
 (いくつか追加や廃止はありましたが。詳しくは↓のリンクから)
 あくまで「主に関係がある」という観点からそれぞれの表を分けていますので、空欄になっていても
 いくつかの標識の追加、廃止等は含まれている場合がありますので、ご了承ください。

 
なお、実際のデザイン等は4.旧標識データベースをご覧ください。

案内標識 規制標識・指示標識

・昭和17年5月

  
には内務省令「道路標識令」が制定されました。
  これが現在の標識の基礎になったとも言える法律ですが、当時は
  
案内、警戒、禁止、制限、指導の5種類あったようです。
  しかしまだ案内標識
にあっては1種類しかなくまだまだ発展途上だったようです


・昭和25年3月

  には総理府・建設省令の2つの省庁による「道路標識令」改正が行われました。
  この改正によって現在も全国各地に密かにかつ大胆に存在しているいわゆる「白看」
  登場しました。白地に黒文字で、日本語にローマ字併記のある”アレ”です。
  (旧看部屋で紹介しています。)
  案内標識以外の標識も色々と増えました。現在でもよく(?)見かけるのが
  「注意CAUTION」の標識です。(こちらはその他部屋で紹介しています。)
  現在では旧標識としては一番良く残っているんではないでしょうか??(予想)

・昭和35年5月
  に
「道路標識令」は再び改正を受けます。
  この時、現在では非常に重要な位置を
  占める標識が追加されました。
  「国道標識」
いわゆる「国道おにぎり」と
  呼ばれている逆三角形の標識です。
  最高に古い国道おにぎりで今年
  (2003年現在)43歳というわけです。
・昭和35年12月
  には5月に改正になったばかりでしたが「道路標識令」はあっさり廃止。
  新たに総理府・建設省令による「道路標識区画線及び道路標示に関する命令」が制定。
  案内標識と警戒標識については以前の「道路標識令」に基づきほとんどは存続。
  またこの時、禁止制限指導の3つは規制標識と指示標識の2つに統合編成
  され、現在の形になりました。
・昭和37年1月
  には案内標識に現在では交差点等では
  その大半を占めているであろう、
  「方面および方向」が追加されました。
  これは現在にも通じる「青地に白文字」
  のもので、しかもローマ字併記
もされて
  いたので、現在でも十分使用出来る
  デザインでした。
  実際矢印の形がちょっと変わっただけで、
  基本的には現在のものと同じです。
・昭和38年3月
  にはついに規制標識指示標識の大幅な
  デザイン変更があり、それまでの長方形の
  ものから、ほぼ現行の標識になりました。
・昭和38年7月
  には新たに「高速道路標識」が新設されました。
  高速道路が整備され車も高速時代に突入
  した証ですね。
・昭和46年11月
  には先の法令の第9回改正が行われました。
  この改正でついに「白看」が姿を消すことに
  なります。
  変わって登場するのは現在もよく街中で
  見かけるローマ字併記の無い「旧青看」
  です。視認性の向上やそれまで白看と
  旧旧青看(103の2)といったバラつきを
  統一すると言う目的もあったようです。
  ここまでくると大部分の標識が整備されて
  来ているとあって昭和61年の第13回改正

  まで、条文等の整備以外に大きなデザイン
  の変更等はありません。
・昭和61年10月
  には先の法令の第13回改正が行われました。
  久しぶりの大幅デザイン変更です。
  この改正で「国際化に対応する」という
  理由からローマ字併記の無い「旧青看」は
  姿を消し、変わってローマ字併記を復活
  させた、現在の”新”「青看」
が誕生すること
  になりました。
  この後はいくつかの標識の追加等をしながら
  現在に至ります・・・
 
 以上が標識の変遷の大枠となります。
4.旧標識データベース
 ここでは「白看」を含む旧標識から現在の標識までのデザインを一挙公開しましょう。
 特に規制標識・指示標識の長方形タイプを見つけるのは相当に大変だと思われます。
 「見つけてやる!」という方も「見るだけ・・・」という方もどうぞ見てみてくださいね。

   
それではこちらからお入り下さい。


いかがでしたでしょうか?
以上がおおまかな標識についての概要です。
標識の世界に皆さんも足を踏み入れてみれば色々な発見があるかも
しれませんよ??(宣伝です ^^;; )


※このコーナーでは主に「白看」、「旧標識」等について、
皆様からの投稿・情報をお待ちしております。

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