国道121号線 山王峠 旧道

その2


国道121号線、福島県と栃木県の県境にある峠が山王峠です。
この峠は古くから会津藩主の参勤交代などにも利用された「日光街道」(南山通り)の峠で、
近くには茶屋もあり、参勤交代はもちろんのこと伝馬、旅人の休息所として利用されたようです。
峠の標高は900mを越える険しいものでしたが、1980年には山王トンネルの開通によって
快適路に生まれ変わっています。
旧道化後25年、現状をレポートします。





↓↓↓山王峠の場所↓↓↓
mapion

通行日 2004年4月30日
走行レポート


※レポート中の写真をクリックすると大きな写真(640×480)が見れます。






法面、路肩崩落コレクション(笑)
法面の吹きつけは剥離してボロボロ、路肩は陥没してガードレールが
浮いています。
毎年繰り返される融雪との戦い、こうして少しずつ
自然に帰っていくんだな、としみじみ感じます。




遠くにはなにやら橋が見えました。
おそらく「バイパス」の山王大橋でしょう。
家族連れの乗用車、観光バス、トラック、何の迷いも無く
全ての車は現道を通って行きますが
誰か一人でもいいからこの旧道に目を向けてほしいものです。
入り口部にあった青看はそれを象徴するかのようで
なんとなく寂しげでした。




車で走ったらそこそこ楽しめそうなワインディングです。
入り口部の青看を見ても、元々はこの道を封鎖するつもりは無かったのでしょうね。
もちろん最初のウチはこのワインディングを
我が物顔で楽しんでいた方もいたはず。




崩れて地肌が覗いている部分は前述の通り、
ほぼこのような白い土質になっています。
まだ表面の吹きつけの剥離だけで済んでいますが、
いずれこのような場所も大規模な崩落に見舞われてしまうのでしょうか。




旧道の勾配が良く分かる風景。
遠目から見て大型車などには辛かったであろう、
勾配をもって一気に峠へ駆け上がって行きます。
対岸の路肩ではコンクリで施工された部分との境目が
崩れて宙に浮いてしまっています。
あそこも近いうちに崩れるな・・・




そうしてヘアピンを繰り返していくと
なぜかこのヘアピンだけ土が被って
荒れていました。
「あ、ついに来たか」
と思いながらヘアピンの先を見ると






やはり・・・案の定その先は大規模な崩落現場でした。
「ROADweb」様で崩落の事実は知っていたものの
予想以上に出現が遅れていたので
もしや撤去されたのかも・・・という期待も空しく「白い崩落」は
遥か頭上から遥か谷底まで続いていました。




ここは慎重にクリア。
そして、ふと前方に目をやると




旧道沿いに広がる無数の白い帯。
白い帯の中には草木は無いように見えます。
山のいたるところでこのような自然崩落が発生しているようで、
この場所は人間の手を離れた今、これ以上長く存続することは
不可能なのではないか?という感覚を嫌でも感じざるを得ない
光景でした。





旧道自体は何事も無かったかのように広い幅員を
保ち続けて峠へ向かっています。
しかし、この風景どこかで・・・雰囲気が似てるなー。
あ、ここかな?(^_^;
(↑どこだか分かった方は当サイトを熟知されてますね)




錆びと苔で雰囲気の出ている壊れた落石防護柵を横目に見ながら
落ち葉に埋もれた道を進めばもう峠は直前。
福島と栃木の県境が近づきます。
そして、峠にはアレが!!



つづく


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